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【イベントレポート】AIBPC Meetup summer2018

AIビジネス推進コンソーシアム(AIBPC)は、2018年7月10日(火)にイトーキ東京イノベーションセンター SYNQA@京橋 (東京都中央区京橋3-7-1 相互館110タワー 1-3F)にて、AIBPC設立以来初のイベント「AIBPC Meetup summer2018」を開催しました。

今回のイベントのコンセプトは、AIBPCの概要紹介と3つのワーキンググループ「教育・育成WG」「AI DevOps環境検討WG」「AI×知財WG」の活動紹介です。

イベントの前半は、AIBPCの実際の活動でもある各ワーキンググループの活動紹介と中間報告を、そして後半は、ワーキンググループ毎のパネルディスカッショを、そして最後は、参加者の皆さんと運営委員メンバーでの懇親会を行いました。

イベント総合司会はTIS株式会社福島さんです。

まず、AIBPC副会長 TIS株式会社小竹さんの開会の挨拶でイベントが開始しました。

そして、会場スポンサーである株式会社イトーキ先端技術研究所 所長大橋様より、イトーキ社のオープンイノベーションセンターと事業概要と協創空間の取り組みについて紹介していただきました。ファシリテーションツールなど、空間とデジタルの融合においてAIの活用にも注力されており、今後のイトーキ社の動きにも目が離せません。

イベント前半は、AIビジネス推進コンソーシアム取り組み紹介です。

まず、AIBPC副会長 富士通株式会社 中条さんより、AIBPCの全体像について紹介していただきました。

AIBPCは、国内のAIサービスの開発力強化と産業界へのAI適用の加速を目指し活動しています。そもそもなぜコンソーシアムを設立したのか、AIビジネスの現場では何が起こっていて、今後どうしていくべきなのか、AIBPC運営委員の「業界に対する共有財産を作る」という想いを届けていただきました。

続いては、3つのワーキンググループの取り組みについて、各ワーキンググループ長より紹介していただきました。

1つ目の紹介は、「教育・育成WG」です。教育・育成ワーキンググループ長は、TIS株式会社 川口さんです。

「教育・育成WG」は、AI人材育成に向けた取り組み整備と、企業向けAI教育カリキュラム、コンテンツ整備をすることを目的として活動しており、AI人材の採用に役立つような人材像の定義と、それを定義するチェック項目を洗い出し、レーダーチャート(指標)を作成することをゴールとしています。

2つ目の紹介は、「AI DevOps環境検討WG」です。AI DevOps環境検討ワーキンググループ長は、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 藤澤さんです。

「AI DevOps環境検討WG」は、AIフレームワーク利用時におけるインフラ環境に関する検討をすることを目的として活動しており、AIライフサイクルと企業向けAI DevOps環境を構成するためのコンポネートの調査結果とナレッジの発表をすることをゴールとしています。

3つ目の紹介は、「AI×知財WG」です。AI×知財ワーキンググループ長は、株式会社グリッド 曽我部さんです。

「AI×知財WG」は、人工知能に関する企業間の知財財産権の取り決めに対してAIBPCでガイドラインを示すことを目的として活動しており、AI開発における契約時に、当該契約当事者がより権利関係の議論を行う上でのフレームワークや議論のベースとなる資料や契約書雛形を提供すること、また、行政機関のAI契約のガイドラインを補足する資料として、AI開発においてユーザー、ベンダー両者が円滑に、より充実した契約関係を築けることをゴールとしています。

 

イベントの後半は、ワーキンググループの毎のパネルディスカッションです。

1つ目のパネルディスカッションは「教育・育成WG」です。

ファシリテーターは、教育・育成WG長の川口さん。​パネラーは、株式会社zero to one 竹川 隆司様、パーソルキャリア株式会社 鹿内 学様、KPMGコンサルティング株式会社 山本 直人様です。

パネルディスカッションは、「今増やしたいAI人材、採用か育成か、そしてその要件とは?」と題して、「今日本で、世界で、AI関連のビジネスはどんなものが出てきているのか?」「AI関連のビジネスを推進するには、どんな人材を採用したら良いのか?」「そんな人材、マーケットにいるのか?(社会人、学生、国内、国外)」「育成手法として、どのようなものがあるのか?」の4つのテーマをベースにディスカッションしました。

AI人材の教育・育成は、各企業の共通の課題問題といっても過言ではないほどです。AI人材といってもエンジニアだけではありません。プロジェクトマネジャーやプロダクトマネジャー、AIセールスマンの教育・育成にも尽力しないとAIビジネスの発展は足踏みになってしまう可能性もあります。AI人材の教育・育成に関心がある方は、教育・育成WGに登録していただき、メンバー同士で情報交換やノウハウを共有しながら、課題解決に繋げてみてはいかがでしょうか。

2つ目のパネルディスカッションは「AI DevOps環境検討WG」です。

ファシリテーターは、AI DevOps環境検討WG長の藤澤さん。パネラーは、株式会社​テラスカイ 竹澤聡志様、株式会社​Emotion Tech 三上 悟様、株式会社グリッド​ 沼尻 匠様です。

パネルディスカッションは、「これから企業がAI開発を大規模に進めるにあたって必要となるプラットフォームとその在り方や、AIライフサイクルを考慮したAI開発運用基盤とは」と題して、「研究やPoCフェーズの次にくる本格利用を前に、AIライフサイクルを支えるプラットフォームにはどのようなものが求められるのか」をテーマにディスカッションしました。

多くの企業がAIをビジネスに生かすために企画やPoCを実施している段階ですが、今後、AIの大規模活用が始まった際に、効率よくAIを開発・運用するためのシステムが必要になると考えています。その際に、AIのフレームワークを動かし、一連のAIライフサイクルを回すために必要となるシステムとはどのようなものが良いのか、どのような機能が必要になるのかを調査、検証するので、実装フェーズに入っている皆さまにはニーズの高い情報を得られると思います。AI DevOpsに関心がある方は、AI DevOpsWGに登録していただき、AIDevOps関連情報を入手してみてはいかがでしょうか。

3つ目のパネルディスカッションは「AI×知財WG」です。

​ファシリテーターは、AI×知財WG長の曽我部さん。パネラーは、内閣府 中内 大介様、特許庁 萩島 豪様、三井物産​株式会社​ 永江 大成様です。

パネルディスカッションは、「AI開発における知的財産権で知っておくべき5つのこと」と題して、「AIビジネスにおける契約知的財産の取り扱い方に対する課題問題とは。AIビジネスの現場で起きている課題問題とは。」「海外でのAI知的財産事情や捉え方とは」「海外でのAI知的財産事情や捉え方とは」「お客様との契約商談時における契約の在り方とは」「今後のAI開発における知的財産を適切に議論するために企業や行政機関に望むこととは」の5つのテーマをベースにディスカッションしました。

AI開発において発生する技術的要素の権利帰属について、お客様との契約商談をする際には、当事者間に委ねられていたり、また当事者の法務担当も巻き込んだりと、円滑に契約関係を築けていない課題や問題点があります。

AI×知財WGでは、特許庁の方にオブザーバーとして参加して頂きながら、企業の法務担当者と営業担当者も交え、AI開発においてユーザーとベンダーの両者がスムーズに契約関係を築けるように、実ビジネスで活用できる権利関係の議論を行う上で枠組みと契約書の雛形とガイドラインを早急にアウトプットしていきます。

クロージングとして、運営事務局 鈴木より「AIBPC入会案内」をしました。

その後、AIBPC副会長 TIS株式会社小竹さんより閉会の挨拶として、AIのビジネスでの利用促進を実現するためには、AIBPCの趣旨や活動に共鳴していただける仲間が必要であると締めくくりました。

懇親会は、AIBPC副会長 伊藤忠テクノソリューションズ 寺澤さんより乾杯の音頭を頂きスタートしました。

参加者の皆さんが自主的に名刺交換を行っており、積極的に交流を図ろうとする姿が印象的でした。参加された方の満足度は高かったようで、「今後につながるような人脈形成ができた」など、たくさんのご好評の声をいただきました。

長丁場のイベントではありましたが、120名以上の方々にご参加頂き大盛況でした。
AIBPCの活動をはじめ、それぞれのワーキンググループの活動についても興味関心を示していただき実りある時間となりました。
AIBPCは、国内のAIサービスの開発力強化と、産業界へのAI適用の加速を目指すために、各社よりAIについての、知見や事例を互いに共有して、連携を図れる方々からの入会を募集しています。現在、法人会員として30社が登録しており、会員同士で、情報交換やノウハウを共有することによって課題解決に繋がることができると考えております。ぜひ、AIBPCの趣旨に賛同してくださる方の参加をお待ちしております。

AIBPC Meetup summer2018にお越し頂いた皆様、ありがとうございました。今後も、様々なイベントを行う予定です。またお会いできることを楽しみにしています。

最後に改めて、登壇いただきましたパネラーの皆さまと、会場スポンサーの株式会社イトーキの皆さまへ感謝申し上げます。