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【イベントレポート】AIBPC Meetup Summer2019

一般社団法人AIビジネス推進コンソーシアム(通称:AIBPC)は、2019 年7月26日(金)にイトーキ東京イノベーションセンター SYNQAにて、AIBPCの取り組み紹介をはじめとして、相互研鑽できる講演・パネルディスカッションや参加者同士が情報交換やネットワークを創造するイベント「AIBPC Meetup Summer 2019」を開催しました。

 

今回のイベントでも前回に引き続き3部構成のプログラムで行いました。具体的には、第1部はAIBPCの概要紹介とAIBPCの実際の活動でもあるワーキンググループ「教育・育成WG」「AI DevOps環境検討WG」「AI×知財WG」「AI×倫理WG」の活動報告、そして第2部は、ゲストをお招きした講演とパネルディスカッション、最後の第3部は、参加者同士が交流できる懇親会です。

 

イベント総合司会はTIS株式会社 福島さん、丸紅情報システムズ株式会社 小見山さんです。

開会の挨拶では、AIBPC副会長である TIS株式会社小竹さんの挨拶でイベントが開始しました。

 

会場スポンサーであり、この度法人会員Aとして入会されました株式会社イトーキ先端技術研究所 所長大橋様より、イトーキ社のオープンイノベーションセンターと事業概要、協創空間の取り組みについて紹介していただきました。

 

イベント第1部は、AIビジネス推進コンソーシアム取り組み紹介です。

まず、AIBPC副会長 富士通株式会社 中条さんより、AIBPCの全体像について紹介していただきました。

AIBPCは、設立して1年が経ち、約60社の企業が参加している団体です。AIBPC設立の背景、AIビジネスの現場では何が起こっていて、今後どうしていくべきなのか、AIBPC参加各社の「業界に対する共有財産を作る」という想いを届けていただきました。本年の4月には社団法人へと移行し、国内のAIサービスの開発力強化と産業界へのAI適用の加速を目指し、引き続き活動して参ります。

 

続いては、4つのワーキンググループの取り組みについて、各ワーキンググループ長より紹介していただきました。

1つ目の紹介は、「教育・育成WG」です。教育・育成ワーキンググループ長は、TIS株式会社 川口さんです。

「教育・育成WG」は、AI人材育成に向けた取り組み整備と、企業向けAI教育カリキュラム、コンテンツ整備をすることを目的として活動しており、AI人材像とスキルレベル定義を明確にし、各AI人材に対して必要なスキルを確認するためのチェックリスト作成することをゴールとして取り組んでおり、β版のスキルチェックサイトが作成されていました。

 

2つ目の紹介は、「AI DevOps環境検討WG」です。AI DevOps環境検討ワーキンググループ長は、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 藤澤さんです。

「AI DevOps環境検討WG」は、AIフレームワーク利用時における、インフラ環境に関する検討をすることを目的として活動しており、AIライフサイクルと企業向けAI DevOps環境を構成するための、コンポーネントの調査結果とナレッジの発表をすることをゴールとして取り組んでいます。

 

3つ目の紹介は、「AI×知財WG」です。AI×知財ワーキンググループ長は、AIBPC代表理事である株式会社グリッド 曽我部さんです。

「AI×知財WG」は、人工知能に関する企業間の知財財産権の取り決めに対して、AIBPCでガイドラインを示すことを目的として活動しており、AI開発における契約時に、当該契約当事者がより権利関係の議論を行う上での、フレームワークや議論のベースとなる資料や契約書雛形を提供すること、また、行政機関のAI契約のガイドラインを補足する資料として、AI開発においてユーザー、ベンダー両者が円滑に、より充実した契約関係を築けることをゴールとして取り組んでいます。

当日は、知財WGのメンバーである真英法律事務所 弁護士 堀川先生より、AI×知財WGが作成しているモデル契約書とガイドラインについてご紹介いただきました。

 

4つ目の紹介は、「AI×倫理WG」です。AI×倫理ワーキンググループ長は、AI×知財WGと同様に曽我部さんです。

「AI×倫理WG」は、AIを提供や活用する立場として、企業としてのAI倫理に対する考え方やスタンスを明確にした上で、実際に自社へ導入する仕組み作りをすることを目的として活動しており、AI倫理課題に取り組むステップとAIをどう開発するべきかといった原則や、ガバナンス・コンプライアンスのルール策定をゴールとして取り組んでいます。

 

イベント第2部は、3つの講演とパネルディスカッションです。

基調講演は、内閣府 知的財産戦略推進事務局 参事官補佐 中内 大介氏より「AI×データ×知財に関する政府の取組について」と題して、政府目線でのAI×知財についてご紹介いただきました。

講演①では、株式会社SIGNATE 代表取締役社長 齊藤 秀氏より「AI開発コンペティションの実際」と題して、コンペティションを通じた人材発掘や取り組み事例についてご紹介いただきました。

講演②では、デンマーク大使館 投資部 部門長 中島 健祐氏より「デジタルデンマークと人間中心AIの最新動向」と題して、デンマークでのAIにおける戦略や動向についてご紹介いただきました。

 

続いてパネルディスカッションでは、ファシリテーターとしてユニアデックス株式会社 高橋 優亮氏
パネリストとして株式会社ブレインパッド 代表取締役社長 草野 隆史氏 、connectome.design株式会社 代表取締役社長 佐藤 聡氏 、株式会社グリッド  代表取締役 曽我部 完氏による、「日本企業でAI導入が進まない問題点」についてディスカッションしました。

ディスカッションでは、AI導入を謳う企業は多い中で実際に導入できている企業はなぜ少ないのか、今後どのような考え方で取り組むべきか会場も交えて意見を交換することができました。

 

クロージングとして、AIBPC広報部会 三井情報株式会社湯野川より「AIBPC入会案内」をご説明しました。

その後、AIBPC副会長 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社寺澤さんより閉会の挨拶として、AIのビジネスでの利用促進を実現するためには、AIBPCの趣旨や活動に共鳴していただける仲間が必要であると締めくくりました。

懇親会は、AIBPC副会長 伊藤忠テクノソリューションズ 寺澤さん、AIBPC事務局長 株式会社グリッド 鈴木さんより乾杯の音頭を頂きスタートしました。

イベント内容についてのご質問や、新たなビジネスについてのご相談など積極的な交流や名刺交換をしている姿が印象的でした。多様な方々と情報交換やお話でき刺激をいただきました。

 

長丁場のイベントではありましたが、約130名の方々にご参加頂き大盛況でした。AIのビジネスへの活用、それを実現する組織の在り方を考えさせられるイベントとなり、実りある時間となりました。

AIBPCは、国内のAIサービスの開発力強化と、産業界へのAI適用の加速を目指すために、各社よりAIについての、知見や事例を互いに共有して、連携を図れる方々からの入会を募集しています。現在、法人会員として約60社が登録しており、会員同士で、情報交換やノウハウを共有することによって課題解決に繋がることができると考えております。ぜひ、AIBPCの趣旨に賛同してくださる方の参加をお待ちしております。

 

■AIBPC入会方法はこちら
http://aibpc.org/?page_id=44

 

AIBPC Meetup Summer2019にお越し頂いた皆様、ありがとうございました。今後も、様々なイベントを行う予定です。またお会いできることを楽しみにしています。

最後に改めて、登壇いただきましたパネラーの皆さまと、会場スポンサーの株式会社イトーキの皆さまへ感謝申し上げます。